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04理事長最近「メンタル」という言葉がよく使われますが、具体的にはどのように理解すればいいのでしょうか。ストレスの多い現代社会において、特に「メンタル」が注目されているように思います。荒木先生端的に言えば「心の持ちよう」です。ストレスは「心が強くない」とか「前向きでない」とか、つい個人のせいにしてしまいがちです。メンタルに影響をおよぼす原因は個人をそうさせている環境、つまり周りにいる人にあります。環境づくりをうまくすれば、必ず人は生きてきます。仕事の場面でも、わからないことは、すぐにわからないと聞ける、できなかった時に誰かが声をかけてあげられるような環境づくりが大切だと思います。また、環境や対人関係の他に、個人の考え方も関係します。例えばコーチに叱られたと捉えるか、期待から注意を受けたと捉えるかはその人次第。考え方ですよね。言われ方、その後のフォローのされ方によっては、感情的に受けとめる場合もある。そういう意味では、対人関係です。メッセージを発信する側が相手の気持ちに寄り添い、「こうしてほしい」と的確に伝えられればストレスはかなり減ると思います。理事長なるほど。職場でも気をつけないといけませんね。ところで現代は、さまざまな職場で女性が活躍していますが、子育てをしながら働く先生から、同じ立場の女性へアドバイスをいただけますでしょうか。荒木先生まだまだ社会は男性中心理事長現代の子どもたちはパソコン、ゲーム、スマホなど家の中での遊びが中心になっているように思います。子どもたちはもっで、男性にとって働きやすいようにできているとは思いますが、思いを伝え、理解してもらおうと考えるとイライラが減るのではないでしょうか。例えば午後6時から会議が設定されたとします。設定した人は仕事がひと通り終わった時間帯の方がみんな集まりやすいと考えている。でも、子どもがいれば、迎えにもいかなければいけないし、ご飯も食べさせないといけない。それを言えるようにしないと、ストレスになります。言えば気づいてもらえることも多いし、考える姿勢をもってくれる人も出てきます。多くの女性は、今まで頑張ってきたキャリアも大切にしたいし、子どもとも一緒にいたいと考えています。働き方や思い、考え方を理解してくれる男性が周囲に1人でも増えることによって、女性はすごく楽になります。理事長経営する側は、まず働きやすい環境を作るための制度面を考えますが、気持ちを理解し合うことで信頼関係を築くのが大事ということですね。ストレス緩和のコツは「気持ちを理解しようとすること」スポーツが子どものコミュニケーション力を育てる荒木香織先生園田学園女子大学人間健康学部教授スポーツ心理学や健康心理学の専門家。教育・研究活動のほか、メンタルトレーニングのプログラムをコンサルティングしている。2012年から「ラグビーワールドカップ2 0 1 5」終了まで、ラグビー男子日本代表チームのメンタルコーチとして活動。自身も学生時代に陸上競技選手として数々の大会で入賞経験を持つ。