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概要

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05これらも、多く摂りすぎなければ健康上、問題とはなりません。安定生産のために農薬が使われたり、微生物の増殖を抑えるために添加物が使われたりしますが、使用量を管理することで安全が保たれます。同じように、カドミウムや無機ヒ素、カビ毒なども、栽培方法の工夫などで含有量の低減が取り組まれています。そして、私たちは、おにぎりばかり食べるような食生活をしないことで、摂取量を調節します。現代には、食の安全に関するさまざまな情報があふれています。その真偽については根拠のないものも非常に多くあります。大切なのは、特定の情報だけを信じて対策を講じるのではなく、バランス良くいろいろなものを食べることです。そうすることで、それぞれの食品が持つリスクは分散され、影響を最小限にとどめることができます。野菜や果物を多めに、多種類、さまざまな産地の食品をバランス良く適量とることが、安全な食への近道です。「自然・天然=安全」「人工・合成=危険」という単純な思考からは脱して、食べる「量」に注目しましょう。情報はすべて正しいもの食品の安全を考える上で大切なのは、まず「リスクの全くない食品は存在しないこと」を理解することと、安全とは「個々の食品が持つリスクが許容できる程度であること」です。食品のリスクの大きさを決める2つの指標は、「なにを」「どれだけの量」食べるか、です。分かりやすくおにぎりでたとえてみますと、実は、1つのおにぎりにも多くのリスクの原因となるものが内在しています。しかし、過度に不安がる必要はないでしょう。また、本来は許容量にあるものを過剰に「危険だ」と報道することで、別の問題が起こることもあります。例えば、トランス脂肪酸は「狂った油」「食べるプラスチック」など不安をあおる言葉でその危険性をよく取り上げられていますが、日本人のトランス脂肪酸の平均摂取量は総エネルギー摂取量の0.3%、世界保健機関が示した上限値である1%を下回る人がほとんどなので、実際の健康被害は小さいと考えられています。しかし、「トランス脂肪酸は危ない」という情報のみが先行し、消費者はトランス脂肪酸を抑えた商品を好むようになりました。企業も、製品のトランス脂肪酸を抑える努力を進めたのですが、その反面、飽和脂肪酸の含有量が増えてしまった製品が目立つようになりました。飽和脂肪酸はトランス脂肪酸と同じく、摂りすぎると心臓病のリスクを上げるものですが、メディアはあまり報道しません。こうして、私たちの中には健康に対する偏った情報がインプットされ、新しい情報が入りにくくなっているのです。ではないことを理解し、背後にある「思惑」に敏感になることが、食の「安全」「安心」を理解する第一歩になります。「安心」「危険」はメディアが作る!?「なにを」「どれだけの量」食べるか。バランスの良い食生活を参加者のアンケートより・あらためて日頃の食事内容や生活を振り返る機会になりました。・食に関する情報で、今まで何が正しくて何を信じればよいか、あいまいな知識しかなかったので、科学的知見からお話しいただけて、とてもためになりました。4月号から食の安全に関する松永さんのコラムがスタートします!楽しみだワン♪大丈夫!