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概要

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熊本天草は、「表皮をむき、ひと房ずつに分けて、白い薄皮までむいて食べるのがおすすめ。皮がむきやすく実がプリッとしているのも、木成り完熟のおかげなんですよ」。国産柑橘の流通が少ない時期にみずみずしい旬の味を楽しめる、貴重な商品となっています。見た目や収穫量減のリスクも一方、完熟までに時間がかかり、雨風にさらされる果実は、木に成っている時間が長いほど、果皮に傷がついたり黒ずみができやすく見栄えが悪くなります。また、木への負担が大きくなるほか、花の咲く時期に果実を収穫するため、花に接触して落花させてしまうなど、次期以降の収穫に大きく影響します。さらに天候にも影響を受けやすく、昨年は数十年に一度といわれる大寒波の影響で果実や木が凍結、収穫量が激減してしまいました。被害をうけた木の勢いが戻るには、まだしばらく時間がかかりそうです。これからもおいしい天草晩柑を届けるために「工夫を凝らしても、自然の猛威にはかないません。木の負担を軽減し、おいしい天草晩柑を作り続けるためにはどうしたらいいのか。ずっと考えていたのは園地の拡大でした」と船城さん。耕作放棄地の再生利用に国から補助金が支給される制度を知った船城さんたちは、2 011年に耕作放棄地の開墾に着手。植えられた木々に今年初めて果実が実り、収穫の時を迎えます。「昨年は熊本地震が発生。物流拠点のある益城町が被災したため県内の物流が混乱しましたが、何とか天草晩柑を京都へ送ることができました。『本当においしい果実を届けたい』という私たちのこだわりを分かってくれる組合員の皆さんのために、今年もがんばっています」と船城さん。生産者の想いがギュッと詰まった天草晩柑を、ぜひご賞味ください。1.今年咲いた花と、昨年から木に成らせたまま完熟を待つ果実が“同居”2.産地の一つ、新和地区。一面に広がる晩柑の木々3.新和地区の生産者・小山一枝さん4.青い海と大小12 0の島々からなる天草地方5.2012年、京都生協職員の産地研修の際に植樹した木6.天草はキリシタン文化が栄えた地としても有名。キリスト教解禁後、天草で最も早く造られた大江天主堂▲3月4日、みやこめっせで行なわれた「商品大交流会」の一コマ。袋田さん手作りの晩柑ゼリーや果皮の砂糖漬けが大人気気候の影響からか、酸味が和らぐ時期が早くなっているという天草晩柑。最近は3月下旬から収穫がはじまります。収穫の時期によって味が変わっていくのも、天草晩柑の魅力。時期ごとの特徴を伝えるために誕生したのが天草晩柑4兄弟です。(イラスト袋田和希さん)初物らしいみずみずしさと、柑橘ならではのしっかりとした酸味が楽しめます。彩りと香りのよい時期で、酸味がほどよく和らぎはじめます。実がぷりっとしてむきやすく、木成り完熟のおいしさが一番楽しめる時期。見かけは悪いけれど、ぱりっとした食感と清涼感のあるあっさりとした味わいに癒されます。コーポロ2017年4月号05