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概要

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商品ものがたり長年の経験をブレンドに生かして家庭の“食”のために役に立ちたい213456中でも、「香住はカニすき民宿発祥の町。カニを水揚げする港から加工する工場、流通する業者、そしてカニを食べさせてくれる民宿までカニのプロがそろい、カニの食文化が根づいた町です。なのに、その価値に気づいていなかったんですよ」。昭和後期、国内旅行が定着し、カニすきを目当てに香住を訪れる観光客が増えだした時期でもありました。そこで考えたのが、香住のカニをおいしく食べるための三杯酢。1 9 7 5年(昭和5 0年)のことです。さらに、1 9 9 0年(平成2年)、地元の水産加工会社から「かに寿司用の合わせ酢を作ってほしい」という依頼がありました。香住の名物カニに恥じない味にするには、どうしたらいいか。柴崎会長はヒントを見つけるために地元の寿司店を一軒一軒訪ねて回り、ほとんどの店で断られながらも、分けてもらった秘伝の合わせ酢をもとに、2年がかりで商品を開発。はじめは一升瓶に簡単なラベルを貼っただけの業務用の商品のみでしたが、この合わせ酢が「おいしい」と加工場の従業員の間で評判に。そこからさらに試行錯誤を重ねて市販用に仕様を変え、誕生したのが「べんりで酢」なのです。「当初はすし酢として開発しましたが、食材にかけたり漬けたり、煮炊きなどにも使え、何の料理でも味が決まる万能の調味料だと教えてくれたのは、工場の人たち。何度も『簡単で便利ですね』と言われて、商品名もそこから名付けました」。04コーポロ2017年8月号