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概要

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サンふじは「農家泣かせ」サンふじの生産には休みがありせんません。収穫以外の時期も、木の剪ていてきか定や受粉、摘果(りんごの実を大きくするために、不要な実を間引く作業)が必要です。実が大きくなってからは、日光をさらにたくさん当てるために葉を摘み、実の向きを変えなければなりません。収穫を含むこれらの全ての作業が、人の手で行なわれているのです。高齢化が進むりんご農家にとっては、決して簡単なことではありません。これだけ手をかけても、半年のあいだ木に成らせていると、台風や獣害・鳥害などのさまざまなリスクにさらされます。袋をかけていないため、被害も深刻。農家は収穫まで一瞬たりとも気を抜けません。「サンふじは非常に手がかかる、農家泣かせの品種です。でも、みんなサンふじを作るのをやめない。一番おいしいと分かっているからでしょうね」と石曽根さんは笑います。温故知新でよりおいしいりんごを石曽根さんは自身もりんご果樹園を営む兼業農家で、「いずれは父母の農園を継ぐことができたら」と話します。子どもの頃からりんごづくりは日常の一部で、たまたま果樹試験場に出向いたときに、隣のおじさんの「農協に向いてるんじゃないか」というひと言でJAあづみに就職。「責任ある立場にプレッシャーを感じることもあります。昔からの技術や知識を、今の市場や消費者の嗜好にあわせて形づくっていく。毎年、試行錯誤して、より良いりんごを作るために日々奮闘しています。難しいですが、楽しいところでもありますね」。やっぱり「うちのりんごが一番!」そんな作り手の熱い想いが詰まった「サンふじ」は、甘みと酸味のバランスが良く、コクのある後味の良さが特徴。「J Aあづみのサンふじは、形はずんぐりしていますが、味はどこにも負けない自信があります。とにかく食べてもらえれば、おいしさを分かっていただけると思います。どの生産者も『うちのりんごが一番おいしい』というプライドを持って作っています。サンふじのおいしさを通して、私たちや安曇野のことも好きになってもらえれば」と石曽根さん。美しい安曇野の自然の中で、手間ひまかけて育てられたJAあづみのサンふじを、ぜひご賞味ください。1.無袋栽培でたっぷり太陽の光を浴びるサンふじ2.日照の長さが、りんごを甘くおいしくする最大のポイント3.実に太陽の光がたくさん当たるように、余分な葉を摘む作業。手際よく作業が進められていきます4.5月初旬に満開を迎えるりんごの花。1つの花から5つもできる実の摘果作業は骨が折れます5.ワイ化栽培によって木の大きさを調整することで、日当たりが良くなり作業もしやすくなります6.鳥害対策として鷹に見立てたカイトを飛ばす生産者も▲秋の空の下、とんぼが等間隔で休憩中おしりをチェック!おすすめは「そのまま」!サンふじは歯ごたえも魅力のひとつ。皮が薄いので、丸かじりがおすすめです。皮と実のあいだにはポリフェノールなどの栄養が詰まっているので、ぜひ丸ごとサンふじのおいしさを味わってください。※皮ごと食べる際は、表面をよく水洗いしてください。安曇野は涼しい気候のため、りんごはゆるやかに熟していきます。酸がゆっくりと抜けていくため、JAあづみのサンふじは酸味と甘味がベストバランスの「適熟」状態で収穫されるのが特徴。適熟を見分けるポイントは、「ツヤ」と「飴色」。全体的にツヤが出ていて、ひっくり返したときにおしりが濃い黄色になっているものが食べごろです。コーポロ2017年11月号05