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概要

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123真面目に、かき一筋。41.ほたての貝殻をつないだ採苗連。ここにかきの幼生が付着する2.干潮時のかきの抑制棚3.かきの収穫最盛期は2隻の漁船がフル稼働4.最新機器と人の目の二重で異物の混入や欠けをチェック5.採れたてのかき。殻の中には濃厚なうま味の身がぎっしり詰まっている6.かき漁師の尾浜さん。「うちのかきが一番!」7.今回お話を伺った倉橋島海産株式会社取締役工場長の岡見英人さん。国内外での水産業経験が豊富な「スーパー水産人」8.打ち子さんがずらり。早い人で1日3000個以上殻を剥く5 67 8感じられます。倉橋島海産では「抑制」と呼ばれる養殖方法をとっています。採苗(種付け)から収穫までおよそ2年。夏、孵化して海中を浮遊するかきの幼生が、ほたてさいびょうれんの貝殻(採苗連)に付着するのを待ちます。秋、採苗連は沿岸の抑制棚へ移され、潮の満ち引きで海水につかったり日に干されたりを約1年間繰り返します。こうして残った強いかきだけが、ほたて殻どうしの間隔を広くしすいかれんいかだた「垂下連」に組み直され、筏にさらに約1年間吊るされます。これは広島のかき養殖独特の方法で、より大きく上質なかきを育てるため、最適な場所に筏を移動できるという利点があります。「自然には抗えない。だからこそ、自然の力を活かすのが大事」と斉藤社長。かきの成長に合わせて吊るしかえや移動を繰り返し、ようやく殻いっぱいに身の詰まった、大粒のかきが収穫されるのです。水揚げ後、かきは海水できれいに洗浄されます。「打ち子」と呼ばれる人の手や、最新の殻剥き機で殻を剥き、-32℃で冷凍され、倉庫で保管。冷凍状態のままサイズ選別の後、周囲をさらに薄い氷の膜で覆い、収穫時の鮮度を保った状態で出荷されます。冷凍保管するのは、安定した供給量を常に保つためです。「2014年夏は広島県全体でかきの採苗が不調で、2年後の収穫を不安視してかきの価格が一気に高騰しました。最近、ようやく落ち着いてきましたが、影響は今も続いています」厳しい時期でした、と岡見工場長は当時を振り返ります。今年の出来を伺うと、「11月の初めまではやや小ぶりでしたが、中旬以降から採れるものは上々」とのこと。「養クリーム色はおいしさの証倉橋島海産のかきはまったりとしたクリーム色。この色はかきのうま味の主成分であるグリコーゲンで、色が濃いほどうま味も濃くなります。簡単!殖から製造まで、すべてにおいて『最もおいしい状態』を意識して、一つひとつのことに真剣に取り組んでいます。うちで作った『専門店のかき』を、ぜひ組合員さんご自身の目で、舌で味わってください」と、岡見工場長。瀬戸内の美しい海と、確かな技術と熱意に育てられたかきをぜひご賞味ください。かきのアヒージョたっぷりのオリーブ油にスライスしたにんにく、鷹の爪を入れてじっくり温め、解凍したかきを入れてぷっくりするまで加熱。塩こしょうで味を調えれば完成。お好みできのこを入れてもOK。カリカリに焼いたバゲットをオイルに浸していただきます。コーポロ2018年1月号07