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概要

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組合員学習会報告その22017年度の秋の組合員学習会は、京都テルサにて3つの講演会を開催しました。2つの学習会の内容をダイジェスト版でご紹介します。にゅうわしょく基礎から学ぶ・体にやさしい減塩“乳和食”レシピ健康寿命を支えるミルクの力近年、健康ブームで日本食が注目を集める一方で、塩分摂取量の多さ・カルシウム不足などが心配されています。料理家で、管理栄養士でもある小山浩子さんは、そんな和食の弱点を補いつつ、おいしさはそのままな“乳和食”の考案者。小山さんに、乳和食のレシピを教えていただきました。こやまひろこ講師:小山浩子さん料理家、管理栄養士、フードビジネスコーディネーター大手食品メーカー勤務を経て2003年フリーに。料理教室の講師やコーディネート、メニュー開発、栄養コラム執筆、NHKをはじめ健康番組出演など幅広く活動。『目からウロコのおいしい減塩「乳和食」』(社会保険出版社)で2014年グルマン世界料理本大賞イノベイティブ部門世界第2位を受賞。健康と作りやすさに配慮したオリジナルレシピにファンも多い。2015年1月、日本高血圧協会理事に就任。メディアで話題の「乳和食」の開発者でもある。健康と長生きは「血圧」がカギいきいきと健康に長生きするためには、料理の力が役に立ちます。日本は今、超高齢社会(※注1)です。2016年時点での平均寿命は、女性87.14歳、男性80.98歳と年々伸びているものの、100歳以上の方で元気で自立した生活を送れている方は1割程度しかいません。長生きをしても、寝たきりでは楽しくないですよね?健康に長生きをするためには、60歳でも70歳でも、気を付けようと思ったときが生活の見直しどき。健康に対する意識と日々のとりくみが、健康寿命(※注2)を延ばすことにつながります。「世界の死亡リスクを高める10の要因」(2015年、健康指数評価研究所)を見ると、1位は「高血圧」です。高血圧は、脳卒中や心臓病につながりやすく、糖尿病や腎障害といった疾患も引き起こします。加齢とともに血管の弾力が失われ、体内の塩分を排出しにくくなるため、高齢になると「上の血圧」が高くなることは避けられません。健康を維持しながら長生きをするためには、高塩分の摂取を解消し、高血圧を予防・改善する必要があるのです。牛乳のおかげで減塩でもおいしい!日本人の食生活といえば「和食」。脂肪分が少なく健康的な食事と考えられていますが、実は、カルシウムが取りづらく、食塩の摂取量が増えやすいという弱点が。日本人の食塩摂取量1日平均約10gに対し、減塩目標は1日平均6g未満(※注3)。食塩の摂取量を下げるために塩分を抑えると、味気なくておいしくない料理になりがちで、食べることがストレスになってしまうことも。そこで、おいしさにこだわり、減塩しながら、カルシウムの摂取量も増えるようにと考えたのが「乳和食」です。料理方法は、「だし」「水」の代わりに、牛乳で「乾物・野菜を煮る」「粉と混ぜる」「酢を加える」といったもので、私はこれを「ミルクマジック」と呼んでいます。加える調味料は通常の半分以下です。牛乳には、乳糖の甘み、乳脂肪のコク、アミノ酸の旨味、微量のクエン酸の酸味が含まれています。これらが絶妙に溶け合い、料理全体の旨味が増して味が濃くなるので、食塩は少ない方がおいしく仕上がります。意外に思うかもしれませんが、乳和食は牛乳の味が気になりません。乳和食で、おいしい減塩食を実践し、健康寿命を伸ばしましょう。06コーポロ2018年3月号