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概要

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商品ものがたり自然を活かし、人がつなぐ「すべてはおいしいを届けるために」5123 46受け継がれる養鰻職人の魂大隅養まん漁協組合員で生産者の1人、楠田淡水有限会社の楠田かずやくすだ和也社長は、およそ2400坪の養鰻場を経営しています。数年前までは東京の大学生で、養鰻には全く関わっていなかったのだそう。「父が病気と聞いて戻ってきたんです。容態が回復しないまま間もなく亡くなり、仕事について何も教えてもらえませんでした」と楠田さん。知識も経験もゼロの状態でのスタート。そんな楠田さんに手を差し伸べてくれたのは、大隅養まん漁協の組合員たちでした。「『君のお父さんにはお世話になった』と、皆さんに助けていただきました。父の人徳に救われましたね」と楠田さんは語ります。いまや名実ともに立派な三代目社長の楠田さん。養殖に大切なのは「水を育てること」だと言います。「うなぎはもともと沼などに住む生き物、きれいすぎる水では育ちません。うちの池では“自然の水加減”を作ることにこだわっています」水の色、におい、硬さ(波紋の具合)などを指標に、毎日の水加減を調整するのはまさしく職人技。また、えさもうなぎの成長度合や健康状態を見ながら与え、大きさに差が出てきたうなぎはすぐに別の池に移すなど、池とうなぎの様子を毎日欠かさずチェック。質の良いうなぎを届けるために、日々奮闘しています。目利き、捌き、焼き、蒸し―それぞれの職人技丹精込めて育てられたうなぎは、出荷の1週間前と、加工場に入04コーポロ2018年7月号