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概要

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の大学に進学し、左京区の下宿先で暮らしていました。そのため、思い出の地・京都への思い入れはひとしお。以来30数年に渡って毎年、コープのお店に秋の味覚として「産直たねなし柿」が並ぶようになりました。家族で力を合わせて精いっぱい頑張る柿の栽培に関するこだわりは、まだまだあります。4月下旬に摘花し、開花したら消毒を施します。柿の天敵・カメムシの発生状況をチェックし、対策を講じます。夏の暑さが厳しい時期を過ぎた頃に摘葉し、果実に日差しをたっぷりと浴びさせます。日が当たりすぎると表皮に黒ずみができることもあるので、時期の見極めが大切です。果実が育ってくると、摘果します。ひと枝あたり残す果実はたったの1個。残した果実を大きく育てるために重要な作業です。そして、いよいよ収穫。柿の実の熟した具合を見計らいます。「目安は色。朱赤の柿色になったら収穫します」と平山さん。これらの作業は、すべて家族3人による手作業。平山さんと父の和男さんが柿の木に梯子をかけて実を収穫し、妻の喜要巳さんは地上で受け取る役目。「昔は地域で手伝い合うことができたのですが、今は過疎化で人手がない。手が回る範囲で精いっぱいやっています」と、平山さんは話します。収穫も渋抜きも自分自身でチェック「産直たねなし柿」は、実は渋柿の一種。収穫したばかりの実には渋みがあるので、貯蔵庫の中で炭酸ガスによる渋抜きを施します。柿の実を袋状のものですっぽりと覆って、その中に炭酸ガスを注入し密閉すること丸2日。食べてみて、渋みが残っていたらさらに丸1日置きます。しかし、渋を抜いたから甘くなるわけではなく、甘さは実が木になっているときの熟成度で決まります。つまり、「産直たねなし柿」が甘いのは、木で十分に成熟した実を収穫しているから。おいしいのは、平山さんが実際に味を確認しながら渋抜きをするからなのです。「おいしい柿を、胸をはって届けています」という言葉通り、出荷も平山さん自らがトラックを運転して和歌山から京都まで運んでいます。繁忙期には2~3日に1回、片道2時間半の距離を運搬。まさに「産地直送」です。昨年の台風では柿の木が折れるなどの被害が発生しました。平山さん自身も、作業中に木から落ちるなど、ケガを何度も経験。「それでも、おいしいものを作りたい。おいしいものを食べてほしい」と熱く語る平山さん。店頭に並ぶ「産直たねなし柿」は、平山さんが太鼓判を押す一品です。1.斜面をいかした農地には風が吹きぬけ、日当たりも抜群2.収穫最盛期の柿の木。平山さんが柿の実を次々と収穫していきます3.息の合ったかけあいが絆の深さを伺わせる、平山さんと奥様の喜要巳さん4.完熟した柿は、朱赤の柿色が特徴5.かつらぎ町のなかでも平山農園のある「笠田」は、柿の名産地。コミュニティバスの停留所にも柿が登場しています平山さんのおすすめは…「そのまま、生で食べるのがベスト!」農閑期も大活躍!平山さんの「もう一つの顔」おいしいものへの探求心が尽きない平山さん。学生時代に食べた京都のおいしいラーメンを追求し、15年間かけてとうとう自信作のラーメンを完成させました。うちの柿が一番おいしいから、他の地域の柿は食べたことがないなぁ~農閑期の貯蔵庫を使って、8年前にラーメン屋さんを開店。オープンは1?4月の週末のみ。今や各メディアで紹介される有名店になっています。コーポロ2019年10月号05