ブックタイトルbookcopolo1911

ページ
5/16

このページは bookcopolo1911 の電子ブックに掲載されている5ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

bookcopolo1911

川村幸子京都生協副理事長柴田弘美京都生協副理事長畑忠男京都生協理事長そのご家族、一般の方との壁をできるだけなくして、自由に意見交換しコンセンサスを少しずつ作っていくことに取り組んでいます。また、研究内容を正確に、できるだけ分かりやすく伝える「サイエンスコミュニケーター」と呼ばれる職員もいます。常に世間に、皆さんに発信して透明性を高くすることが一番大切だと心掛けています。川村私どもでも科学的に安全なことに加えて、気持ちの上で安心できることの両面を大切にしていきたいと思っています。近年、科学者同士だけではなく、科学者と一般の方とのコミュニケーションがさまざまなところで必要とされていると聞きます。「安全」と「安心」に関しても、この科学コミュニケーションが重要になってくるのでしょうか。山中食も、新しい医療技術についても、実際にそれを食べる、治療を受ける方々に安心してもらうことが非常に大切です。そのためには、十分に理解していただくことが重要だと思います。ところが、難しいことを分かりやすく伝えるのはなかなか難しい。普段からトレーニングをしているサイエンスコミュニケーターの存在は大きいです。また、研究者も謙虚さを忘れないこと。自然に対する畏れ、敬意の気持ちを持ち続けることが大切だと思います。その感覚を失って、研究者同士ばかりで議論していると独りよがりに陥ってしまう可能性があります。普段から一般の方と研究について語り合う機会は、お互いにとって大切だと思っています。超高齢化社会と健康寿命柴田京都生協では去年から「健康」という分野に着目し、減塩やヘルシーなレシピ紹介など、食を中心にさまざまな提案をする一方、心の健康にも目を向けています。心の健康と食の関係性について、所長の考えを伺いたいです。山中今、日本は世界で最も長寿を誇っていますが、いわゆる健康寿命は、男女ともに平均寿命より10歳ぐらい短い。人生の最後の10年間は、介護や看護が必要な期間ということになります。この期間を短くするために、iPS細胞を使った研究で貢献したいと思っています。一番良いのは病気にならないこと。先制医学、つまり予防のために食べ物は非常に大切です。柴田心身ともに健康でありたいと思いますが、マラソンを精力的にされている山中所長にとって、マラソンは心身の健康に重要な役割を果たしていますか。山中iPS細胞研究への寄付を募るため、毎年マラソン大会に出場しているのですが、マラソンに限らず、汗をかくことは健康にとって大きなプラスになるのではと思います。このような仕事をしていると、なかなか眠れないこともありますが、2時間も走ると、身体が疲れてそのうちに眠ってしまいます。時差のある海外出張も多く、睡眠は常に課題ですが、運動にずいぶん助けられています。畑これから高齢化、人口減少の局面がさらに厳しくなっていきます。京都生協の職員も、年齢に関係なく働ける場があれば、いろいろな事業を支えていけるのですが…。研究者のなり手不足はないのでしょうか。司会は元キャスターの倉森ひとみさんが担当。▲コーポロ2019年11月号05