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概要

bookcopolo2006

畑の開墾を経て生産量が増加した後も、病害や輸送事情の悪さからくる腐敗など、問題は尽きませんでした。1942年(昭和17年)頃、らっきょうを塩漬けにした加工品を市場に出荷し、ようやく販路を開拓することができました。透けるように白くシャキシャキの歯触り砂丘らっきょうの収穫は5月下旬~6月中旬頃。前年の7月下旬~8月下旬、真夏の暑い盛りに、手作業で一玉ひと玉丁寧に球根を植え付けます。らっきょうは「らくだ」という、全国各地で栽培されている代表的な品種を使用。福部の砂土にも適した成育旺盛で、分球数が少なく、しっかりした肉質が特徴です。強い空っ風が吹き、保水力・保肥力が乏しい砂土でじっくり育つからこそ、身がぎゅっと締まり、繊維が細かく皮の薄い、シャキシャキした食感のらっきょうになるのです。秋になると、らっきょうは一斉に紫色の花を咲かせます。冬場は日本海から吹きつける厳しい風雪に耐え、じっと春を待ちます。そしてようやく、初夏にかけて収穫を迎えます。夏は地表面温度60℃、冬は氷点下という過酷な条件で育つ砂丘らっきょうは、いわば「生命力の塊」。収穫し、根切りされたらっきょうは、JA鳥取いなばの福部らっきょう加工センターへ。洗浄、皮むきを行います。「皮むきの工程では、3割から半分くらいの皮を除き、球の真ん中の柔らかく傷がない部分のみにします。この手間も、『砂丘らっきょう』ならではでしょう」と橋本さん。その後、塩水のみで1カ月間漬け込み乳酸発酵し、らっきょうの風味を損なわないように、冷却システムで温度管理を行いながら塩漬、保存します。出荷のタイミングに合わせて塩抜きを行い、京都生協オリジナルレシピの甘酢と一緒に袋詰め。そして、加熱殺菌、X線検査と一つひとつ丁寧に目視検査を行い、出荷準備は完了です。「『鳥取産砂丘らっきょう甘酢漬』は素材の持つ味を大切にしていて、甘酢のさわやかな風味と、らっきょう本来のほろ苦さも同時に味わえます。多くの組合員さんに食べていただければうれしいです」と橋本さんも太鼓判。和・洋・中、いろいろな料理と一緒にどうぞ。1.白く美しい洗いらっきょうは、昭和40年代には食品添加物問題のあおりを受け「漂白剤を使用しているのでは?」とあらぬ疑いをかけられたことも2.植え付けの様子。夏の日差しが照り付ける中で、人手による丁寧な作業に頭が下がります3.砂丘らっきょう生産者の香川さんご夫妻4.掘り起こしたばかりの砂丘らっきょう。強い生命力を感じさせるたくましい姿5.収穫したらっきょうは、まず葉と根をカットします6.JA鳥取いなば福部らっきょう加工センターほかにも、刻んでドレッシング、タルタルソース、ラー油の具材などアレンジ自在。いろいろ試してみて。らっきょうカツ作り方「鳥取産砂丘らっきょう甘酢漬」を丸ごと使って、メイン料理にランクアップ!123豚肉に少量の豆板醤を薄く塗る1にらっきょう1粒を乗せて巻き、つまようじで巻き終わりを留める2に小麦粉、卵、パン粉をつけて適温の油で揚げるコーポロ2020年6月号05