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概要

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工場の要は熟練の技術と目配り現在、「ミニカップ納豆(たれ付き)」は、京都市右京区京北にある工場で製造しています。2 0 1 7年(平成2 9年)に移転したばかりで、「納豆発祥の地と言われる京北に製造の拠点を置くことは、憧れでした」と福三田さん。工場を訪ねると、蒸煮した大豆の良い香りがふんわりと漂っていました。納豆の製造工程は約4日。まず乾燥大豆を洗浄し、冬季は約24時間、夏季は約12時間かけて水に浸します。「職人がその日の気温や天候と大豆の様子を見ながら、調整を行っています」と取締役ももいゆうこ事業部長の桃井裕子さん。次に、適度に吸水した大豆をいったん水洗いし、圧力鍋で蒸煮。「浸漬と蒸煮は、豆の味を左右する重要な工程のため、熟練者2人が交代で担当しています」と桃井さん。蒸煮した大豆は、ブレンドした納豆菌がまんべんなくふりかけられ、紙容器に盛り込み、発酵室へ。約18時間かけて、室中の温度を絶妙に変えながら発酵を促します。発酵の出来は、菌膜や粘りの様子を見て工場長がチェック。その後冷蔵室に移し、発酵を止めた状態で出荷。要所ごとに人の手をかけ、目を配りながら丁寧に作られています。「原料の北海道産小粒スズマル大豆や紙容器にかかる費用でいえば、かなりお値打ちな商品。これまで、価格を抑えるために真面目に頑張ってきました。そして、高い品質を守り続けるために、プライドと責任感を持って取り組んできました」と胸を張る福三田さん。大豆の甘みと旨みがたまらなくおいしい「ミニカップ納豆(たれ付き)」を、ご家族でぜひお楽しみください。1.煮上がった大豆の灰汁を洗浄。写真は「黒豆大豆」の洗浄ですが、「ミニカップ納豆」でも同じ工程があります2.原材料の北海道産スズマル大豆。「天候不順などの影響で、材料の確保に苦労することもあります」と桃井さん3.発酵室の納豆。おいしい納豆へとじっくり熟成中4.おなじみの紙容器に大豆を盛り込んだところ。この後、発酵工程へ移りますひのようじん5 .愛宕神社の「火迺要慎」のお札。京都らしさがここにも6.納豆の製造ライン。紙容器に次々と大豆が盛り込まれていきます▲フィルムの貼り具合やたれが入っているかをチェック。この後、発酵室でじっくり発酵させますナ・・・ットク知って納得!納豆ヒストリーNatto History南北朝時代、光厳法皇が丹波山の常照寺(現在の常照皇寺)で修行を行っておられた際、村ほう人たちより新藁の苞に煮豆を入れたものを献上されていました。それを日々食べているうちに糸を引くようになったようです。法皇はそれを捨てずに塩をかけて食べてみたところ、大変おいしく食べることができたそう。これがこの地で「ねば豆」を作るようになった由来といわほうせいれ、やがて「鳳栖納豆」と呼ばれるようになりました。この「鳳栖納豆」は、黒豆、小豆とともに毎年京都御所に献上するのが習わしとなり、その行事は江戸末期まで続いたといわれています。牛若納豆ホームページより※納豆の発祥については諸説ありますコーポロ2020年11月号05