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概要

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京都でフェアトレード※1事業を中心に、エシカルな商品を取り扱うことで社会をより良くしようとする「シサム工房」の水野さん。同じ志を持つ者同士で、これからの自分たちのありかたと役割について語り合いました。「隣人」として、一緒に生きていきたい畑水野さんがフェアトレード事業を始められたきっかけをお聞かせいただけますか。水野大学時代にアパルトヘイト問題に出会い衝撃を受け、国内外の人権問題に関心を持ち、世界を見てみようとバックパッカーでいろいろな国に行きました。それまで「自分は格差問題に対して何かできる存在だ」という思い込みがありましたが、現地にはかわいそうな人たちがいるのではなく、厳しい状況の中でも普通の日常があり、私と同じ喜怒哀楽があって、たくましく生きている人たちがいました。その時、「この人たちのために何かしたい」ではなく、「この人たちと一緒に生きていきたい」と思ったのです。それが自分の生き方のテーマになりました。大学卒業後はエスニック雑貨屋でバイヤーとして働く中で「より良くつながって生きる」という想いを形にしたいと思いました。そして、バイヤーで得た知識・経験を活かしつつ、フェアトレード商品を提案する場として始めたのが「シサム工房」です。畑チャリティーなどはどこか「施す」感覚がある一方で、事業は「一緒に」といった感覚ですね。京都生協も事業を通じた社会貢献、暮らしへの役立ちを掲げているので、非常に共感できます。「シサム」はアイヌ語で「良き隣人」の意味と聞きました。京都生協の理念も「頼もしき隣人たらん」、共通する「隣人」に興味が尽きません。社名の由来はどのようなものですか。水野社名はわが子の名前を考えるようなもので、いろいろと悩みました。かつてアイヌの人たちが本州の人たちを「隣人」という意味で「シサム」と呼んでいたのを本で読み、そこに「良き」という意味を込めました。地理的な距離が遠くても、世界の人たちと「隣人」という意識で付き合っていければいいと思いました。コーポロ2021年1月号03