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2020年11月4日開催秋のまなびば♪報告「ゲノム編集食品ってどんなもの?」2019年10月、日本では遺伝子を効率良く書き換えられる技術を使った「ゲノム編集食品」の届け出制度が始まりました。また、2020年10月には、ゲノム編集技術を開発したフランスとアメリカの2人の研究者がノーベル化学賞を受賞。この最先端の科学技術は、私たちの食卓にどのような影響をもたらすのでしょうか?『コーポロ』食の安全・安心コラム連載でおなじみの森田さんによる解説とともに、問題点にも目を向けていきます。▲コロナ対策として、参加者間の距離をとり換気に配慮しながら開催さまざまな品種改良とその歴史この70年ほどの間に遺伝子の仕組みが明らかになるにつれて、生物学における技術であるバイオテクノロジーが発展してきました。古くは味噌や納豆の発酵技術、現代の遺伝子組換えやゲノム編集技術もバイオテクノロジーの一種。すでに、私たちの生活の中で利用されているものも多くあります。そもそも、私たちが口にする食品は、原種からさまざまな改良が長い時間をかけて加えられ、味や見た目が良もりた講師:森田満消費者団体(一社)Food CommunicationCompass代表消費生活コンサルタント、東京海洋大学非常勤講師食品安全、食品表示、消費者問題などで講演や執筆活動を行うほか、消費者庁や厚生労働省の審議会・検討会の委員も務める。著書は『新しい食品表示がわかる本(女子栄養大学出版部)』『食品表示法ガイドブック(ぎょうせい)』など。まき樹さんく、栽培しやすいものになっています。この品種改良でも、遺伝子は変異しています。主流は異なる品種をかけ合わせて優良な品種を作る交配育種です。戦後は、薬品や放射線などによる突然変異を利用した育種方法も行われています。遺伝子組換えは、種の壁を超えて他の生物の遺伝子をゲノムに組み込み性質を変えるもので、自然界では起こりえない性質が加わることになるものです。一方、新しい品種改良におけるゲノム編集技術は、狙ったD N A配列に変異を起こさせて、計画的に性質を変えるという方法です。■さまざまな品種改良技術手法特徴交配育種突然変異育種遺伝子組換えゲノム編集異なる品種をかけ合わせ一般的な品種改良。目的のものを得るまでに時間がかかる放射線などで突然変異を起こす突然変異の場所が特定できず、どんな性質が得られるかは分からない外からの遺伝子(外来遺伝子)を組み込む他の生物の有用な遺伝子を入れて、新しい性質を得ることができる意図する遺伝子を切断する目的の部位で確実に遺伝子を編集でき、変異を加えることができる歴史1800年代後半1900年代後半1980年代2010年代外来遺伝子なしありなし*安全性審査なしありなし*開発期間長い(数年~数十年)やや長い短い*ゲノム編集技術の手法によっては外来遺伝子を導入することもあり、その場合は遺伝子組換え育種と同等の規制となる06コーポロ2021年2月号