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概要

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商品ものがたり試作100回以上、卵のおいしさにとことんこだわったスープ213456理想の「ふんわり」を求めて試行錯誤の日々当時、フリーズドライの卵スープ商品はすでにあったものの、ほとんどが高級な和風味。一般家庭で毎日飲まれるスープとは言えませんでした。そこで東洋水産は、家族みんなが飲めて、毎日の食シーンに馴染み、何よりほっとする「家庭で作るかきたまスープ」を目指しました。開発の大きな壁となったのは、卵の「ふんわり感」です。初めは冷凍の加工用液卵を使っていましたが、理想のふんわり食感にはどうしても届きません。偶然にも八戸市周辺は養鶏が盛んな地域で、近くに割卵工場があることが分かり、ふんわり感を生み出す新鮮な液卵(殻を割ってこしただけの卵)が使えることになったのです。その後も、お湯を注いだ時にかきたまが沈まないよう、スープのとろみや卵の投入タイミングの調整を繰り返し、徹底的にふんわり感にこだわり抜きました。重ねた試作は、なんと1 0 0回以上。「フリーズドライは凍結・乾燥の工程があるため、1回の試作に3日かかります。すぐに結果が出ず、なかなか前進できないのが辛いところでした」いとうひろふみと、東洋水産次長の伊藤宏文さんは話します。食感以外にも、工場のラインで一定数を製造できるようにするなど課題は山積みでしたが、試作を重ねて一つひとつを丁寧にクリアしていきました。さまざまな苦難を乗り越え、1994年に全国の生協でたまごスープの供給が開始。生協ならではの学習会や職員・組合員同士のおすすめなど「口コミ」の力で、たまごスープは瞬く間に広まってい04コーポロ2021年3月号