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コラム・コープ安全のひみつ?遺伝子組換え作物の安全評価は?食の安全・安心をとりまく状況も、日々さまざまな情報で変化していきます。今必要な情報は何か。科学ジャーナリスト松永和紀さんによる最新の情報を、コラム形式でお届けします。食品安全委員会などが審査している遺伝子組換えは、ある生物にほかの種類の生物の遺伝子を外から導入する品種改良の技術です。商用化の前には安全性試験が要求され、世界中で審査が行なわれています。日本では食品安全委員会や厚労省・農水省などの設置した審議会、検討会が審査しています。食べる安全性については、導入する遺伝子やそれをもとにできるタンパク質の安全性、アレルギーを誘発する可能性などについて検討します。栽培時に周辺の生態系に深刻な影響を及ぼす恐れがないかなども調べます。そのうえで、問題がないと判断されたものだけが、輸入や販売、栽培などを認可されています。でも、自然ではないと嫌う人もいますね。ほかの品種改良の中には、放射線を照射したり、化学物質の溶液に種子を浸したり、自然ではないものが多数あり、無審査で食べられています。それに比べて、遺伝プロフィール科学ジャーナリスト。京都大学大学院農学研究科修士課程修了(農芸化学専攻)。毎日新聞社に記者として10年間勤めたのち独立。食品の安全性や環境影響等を主な専門領域とまつながわきして、執筆や講演活動松永和紀さんなどを続けている。「メディア・バイアスあやしい健康情報とニセ科学」(光文社新書)で科学ジャーナリスト賞2008を受賞。新刊は「効かない健康食品危ない自然・天然」(光文社新書)子組換えは、第三者が詳細にデータを調べ認可しているので、多くの科学者は、懸念はむしろ低い、とみなしているのですが、そうしたことはあまり知られていません。もちろん、選ぶのは自由で、表示をしっかり見たり有機食品を選ぶなどして、遺伝子組換え作物を避けることができます。ただし、私が気になるのは反対運動の中に非科学的なものが目立つこと。たとえば「遺伝子組換え作物が発達障害の一つである自閉症を引き起こす」という主張があります。理由はこの2 0年あまり、遺伝子組換え作物とセットで用いられるグリホサート※という農薬の散布量が増えるに連れて、自閉症の人が増えているからだそうです。でも、同じように増えるという「相関関係」があるからといって、グリホサートが自閉症を引き起こすという「因果関係」があるとは言えません。グリホサートの散布量が増えるにしたがって、アメリカでの有機食品の販売額も増えています。同じように、アメリカの大学の授業料も増えています。しかし、どれもグリホサートが原因、と言えないのは明らかですね。多くの情報を集めて判断してほしいグリホサートが自閉症の原因と考えるには、別の証拠が必要ですが、現在のところはありません。この主張をしているのはマサチューセッツ工科大という名門大学の科学者です。立派な肩書きを見るとつい「本当かも」と思ってしまうのですが、専門は人工知能で生物の専門家ではなく、遺伝子組換えに対する反対運動を以08コーポロ2017年9月号