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概要

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理事長市民とプロの両方が関わっておられるのですね。片山園長9年前に京都大学と学術連携をスタートしました。著名な先生方が気軽に来園されるので、アドバイスをたくさんいただいています。みずかしか「自然=自らが然るべき状態である」ことこそ、「いい環境」理事長園長は、「いい環境」はどのようなものだとお考えですか。みずか片山園長「自然であること」ですね。「自然」は、「自らがしか然るべき状態である」と書くのです。桜は桜らしく、ケヤキはケヤキらしく、動物は動物らしく過ごせる環境こそが快適性が高いといえます。それを大事にすれば、いい環境がつくれると思います。理事長「あるがままに、自分らしさを大事にして生きる」ということでしょうか。片山園長奇抜なものを持ち込まない。そこの気候風土に合った材料を使う。そこに大事なポイントがあると思います。理事長園内中央の噴水や観覧車は古くからあるそうですね。歴史と新しさを感じました。片山園長噴水は明治時代からあります。東山の景色と時を刻んだ樹木や噴水などがうまく合わさって、いい環境ができていると思います。また、主役である動物がきちんと身近に感じてもらえる見せ方や、園路をめぐらす動線も大事です。然るべき風景のようにさりげなく必要な植物、樹木が配置されているのがいい環境だと思います。理事長造園技術を専門にしてこられた、片山園長だからこそできることですね。日常にこそ、宝物がある。それを伝えるのが私の仕事理事長新しいイベント『園長はんとお散歩』や『プレミアムフライデーin ZOOナイトツアーwithビア』は園長のアイデアですか。片山園長着任してから、獣医師や飼育員が時間をかけて築いてきたものには宝物がいっぱいあると感じました。長く動物園にいると気付かないこと、日常で流してしまっていることを発信しようと、職員と力を合わせて取り組んでいます。代表的なものが「大人が楽しめる動物園」です。大人向け企画として『園長はんとお散歩』や、プレミアムフライデーに『夜のガイドツアー』とレストランでの食事をセットにしました。理事長私たちも日常の仕事の中で、知らず知らずのうちに大切なことが埋もれてしまいます。違う環境から来た人から見れば、いろいろな発見がある。そこに宝物があるというのは、よく分かります。片山園長私が一番大好きな「動物」は、実は副園長の坂本さんなのです(笑)。獣医師で30年選手、動物に対する愛情の深さ、豊かさに感心しました。動物園で働く人たちにスポットを当てて表に出していくことは、動物園の魅力の一つだと。坂本副園長にもどんどん外に講演活動に行ってもらい、動物や、動物園のことを語ってもらっています。それがすごく評判が良くて。理事長動物園はさまざまな分野の職員に支えられているのですね。我々も安全安心な商品だけでなく、もう1つ主人公にならないといけないのが「職員」ですよね。片山園長『園長はんとお散歩』では、職員=「園人」の魅力を語らせていただいています。職員の動物に対する豊かな愛情のつぶやきをキャッチして、市民の皆さんに伝えようと考えています。理事長園長は、専門家である「園人」のことや、専門知識について一般市民に分かりやすく、魅力を伝える架け橋なのですね。片山園長私自身、決して専門性が高くないからこそ、伝わるのだと思います。違う分野から来た人間だから、分かりやすく伝えられる(笑)。片山博昭さんかたやまひろあき04第31代目京都市動物園園長京都市の造園技術職を専門とし、今までに西京極総合運動公園、梅小路公園、宝が池公園など数々の庭園を手掛ける。日本造園修景協会の京都支部長も兼任しており、各地で講演などを行なっている。2017年4月より京都市動物園の園長に就任、新境地で今までの知識・経験を活かしながら、動物園の新たな一面を見せるために奮闘中。