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概要

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商品ものがたり山と海に育まれた豊かな旨味冷凍かき(大粒)宅配にて毎週取り扱い▲かきの養殖棚。海面下にはほたての貝殻がずらりとぶら下がり、そこにくっついたかきが波に運ばれる栄養分をたっぷりと蓄えている最中。瀬戸内海の真ん中、広島県最南に位置する倉橋島。周りを島や岬に囲まれ、穏やかながらも適度な潮の流れが、美しく水面を輝かせます。かきの産卵に適した四季の海水温や塩分濃度、かきの餌となる植物プランクトンを多く発生させる、山のミネラルを多く含んだ太田川からの水流。日本一のかき産地・広島県の中でも、かきの生育に適した環境が見事に揃っています。「冷凍かき(大粒)」を製造する倉橋島海産株式会社は、かき専門の会社として、養殖から製造までを一手に担います。創業時はいわし漁を主としていましたが、先代の社長が「これからは『獲る漁業』から『つくる漁業』の時代だ」と、かき養殖業へ転向。その意思さいとうせつおを引き継いだのが、現社長の斉藤紲男さんです。社長のおかみひでと頼もしき右腕、岡見英人工場長は社長のことを「新しい物好きで最新機器の導入などにも積極的。いつでも業界の先を見据えている」と語ります。斉藤社長の思い切りの良さと、岡見工場長の豊富な水産業経験と知識で、次々と新しい技術開発に挑戦。今や年間1000tのかきを出荷する企業になりました。倉橋島海産が冷凍かきの製造を開始したのは1997年のこと。当時、余ったかきを「もったいない」と冷凍していたところ、小売店のバイヤーから商品化を持ち掛けられたのがきっかけです。市場でその冷凍かきを見たほかのバイヤーたちに「うちにも卸してくれ」と声をかけられ、徐々に取引が広がっていきました。その一つが生協で、2006年に日生協、さらに2011年に日生協を通じてコープきんき、京都生協とも取引を開始。価格だけでなく安全・安心を優先する各生協とは、今日まで安定した関係が続いています。「冷凍かき(大粒)」は、その名の通り粒が大きなLサイズ。倉橋島海産では、収穫したかきを大きさ別に3S~3Lの9階級に分類します。岡見工場長いわく、「いろいろな料理への使い勝手、食感・食味の良さを考えると、家庭用はLサイズが最適」なのだそう。また、組合員からは「加熱しても身が縮みにくい」と好評です。「非常に残念ですが、ほかの業者では、かきに真水を吸わせて大きく見せていることもあるようです。そういったかきは加熱すると水分が抜けて、身が半分近くも縮んでしまう。うちは加工にも海水に近い塩分濃度の水、氷を使用するので、加熱しても縮みにくくなっています。かきは広島の誇り、『正しいものを提供する』というのがうちの誇りです」岡見工場長の口調からは、確かな熱意が06コーポロ2018年1月号