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概要

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香りは丁寧な手作業から23141.台の下から吹き上げる約50~70℃の熱風でボイルしたごぼうをまんべんなく乾燥。衛生管理が徹底された作業場で、仕上がり状態を見ながら丁寧に手作業で熱風を当てていく2.泥を洗い落としたごぼうは、1本ずつ葉の付け根や虫食いなどを切り落としながら状態をチェック3.いろいろな料理に使いやすい細切りにカット4.ボイル後すぐ糖液に浸けて、ごぼうの風味を閉じ込めます採れたての風味を閉じ込める「エアードライ」製造する「吉良食品株式会社」は1972年、乾燥野菜を加工する熊一食品として熊本に創業。当時、誕生したばかりのカップラーメンに入っている乾燥野菜を製造していました。吉良食品を設立したのは1988年。以来、熱風で乾燥する「エアードライ」にこだわってきました。基本的な製造工程は、原料を洗浄しカット、ボイルしいわしたしんいちたあと糖液に浸し、乾燥。吉良食品営業部の岩下慎一部長は、「約50~70℃の熱風乾燥で、人の手で丁寧に6~12時間かけて仕上げるため、熱湯で戻したときに生に近い食感や風味が楽しめます」と話します。もともと、大阪の得意先から〝乾燥大根葉の商品化を持ちかけられたのをきっかけに、小松菜などの葉物やれんこんといった根菜を原料にした乾燥野菜を開発。その使いやすさと保存性のよさで評判は上々だったそうです。1990年、「乾燥ごぼう」の開発に取り掛かりましたが、「ボイルの温度設定には何度も実験を繰り返し、失敗の連続だったと開発者の吉良春雄会長きらはるおから聞いています。乾燥後のごぼうの色が黒かったり、白かったり、なかなか均一にならなかったのです。この温度設定が、今のボイル温度の基本になっています」と岩下部長。糖液に浸すのは、ごぼうの栄養や風味をとどめるための工夫です。2年がかりで商品を開発し、1996年には、「きんぴら用乾燥ごぼうの製造方法」で特許を取得しました。乾燥ごぼうの水分量は8%以下。賞味期間は1年と長く日持ちします。熱湯で戻して調理するほか、乾燥した状態のまま汁物などの具として利用することもでき、簡単にごぼうを食卓に取り入れられます。コーポロ2018年2月号03