ブックタイトルbookcopolo1805

ページ
8/16

このページは bookcopolo1805 の電子ブックに掲載されている8ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

bookcopolo1805

?食の安全・安心に関する最新の情報を、科学ジャーナリストの松永和紀さんに分かりやすく解説していただきます。Q発がん性物質「アクリルアミド」って野菜炒めやフライドポテトにも含まれるって聞いたんだけど…?どうやったら摂取量を減らせるの?A調理の仕方で抑えられます自然界に潜む毒アクリルアミドってなに?食品がさまざまな天然の発がん物質を含むことが、近年分かってきました。ほとんどはごく微量で心配しなくてもよいのですが、アクリルアミドは摂取量が比較的多いとして関心を集めています。ブドウ糖や果糖などの糖類とアミノ酸の一種アスパラギンが、水分の少ない条件下、120℃以上で加熱されると生成する発がん物質。糖類もアスパラギンも、自然の穀類や野菜にごく普通に含まれるものなので、食品を加熱調理すると、どうしてもできてしまいます。家庭の調理でも生成する化学物質の人の体への影響の程度、つまりリスクは、食べる量により変わります。内閣府食品安全委員会がアクリルアミドのリスクについて調べて評価しており、「日本人におけるリスクは低いと考えられるが、懸念がないとは言えず、摂取量の低減に努める必要がある」という趣旨の見解をまとめています。では、日本人はどんな食品からアクリルアミドを摂っているのでしょう?以前は、ポテトチップスやフライドポテトなどの含有量が多いと非難されました。そのため、メーカーや外食産業は減らす工夫にさまざま取り組みました。強火で焦がすとアクリルアミドが増えるので、揚げるのは控えめ。じゃがいもの品種の変更もしました。その結果、これらの含有量は下がっています。トーストしたパン、ビスケット、黒糖なども、含有量が比較的多めです。さらに、食品安全委員会などが詳しく調べた結果、野菜の加熱によってかなりの量のアクリルアミドができることも分かってきました。たとえばもやし炒めやきんぴらごぼう、カレーをおいしくする炒めたまねぎなど、家庭の調理でも生成します。火加減弱めで上手に加熱そのため、農林水産省は一般消費者向けのリーフレットを作り、注意を呼びかけています。もっとも重要なのは、いろいろな食品をバラン08コーポロ2018年5月号