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概要

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?食の安全・安心に関する最新の情報を、科学ジャーナリストの松永和紀さんに分かりやすく解説していただきます。?Q.サプリメント摂るほうが良い?A.個人の必要量はさまざま。必ず医療機関で相談を錠剤やカプセル、粉末などのサプリメント(栄養補助食品)がさかんに売られています。「不足気味の栄養素を補うために、手軽に摂れるサプリを」と宣伝されると良さそうに思えますが、そうとは限りません。過剰摂取に注意どんな栄養成分も多く食べると過剰摂取の害を生じます。ビタミン、ミネラルでさえも例外ではありません。たとえば、レバーやうなぎなどに多く含まれるビタミンAは、多く摂りすぎると全身の関節や骨の痛み、肝臓の異常などを引き起こしやすく、子どもは頭蓋内や骨格の異常も起き得る、とされています。食品に含まれる栄養成分の量であれば過剰障害にはつながりにくく、レバーを毎日食べ続けるというような偏食を避け、バランスの良い食生活を送っていれば、問題ありません。しかし、サプリメントは濃縮されており手軽に摂取できるが故に、過剰摂取につながりやすく、ビタミンサプリの常用でがんリスクが上昇したり、カルシウム剤で心筋梗塞や狭心症のリスクが上がったりすることが報告されています。では、販売業者が言うように栄養素は不足気味なのでしょうか?内閣府食品安全委員会は「現在の日本では、通常の食事をしていればビタミン・ミネラルの欠乏症が問題となることはまれであり、サプリメントで補給する必要性を示すデータは今のところありません」と断言しています。もし、「栄養素が不足しているのでは」と心配なら、医療機関で医師や管理栄養士に相談した方が良いでしょう。自分で判断して過剰摂取になっては大変。特に、子どもにサプリメントを勝手に与えるのは厳禁です。また、ビタミンやミネラル類以外のハーブや動物からの抽出物などの健康食品は、研究が十分に行なわれておらず不明な点が多く残るため、特に要注意。私は勧めることはできません。08コーポロ2018年9月号