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概要

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?食の安全・安心に関する最新の情報を、科学ジャーナリストの松永和紀さんに分かりやすく解説していただきます。?Q.ジャガイモのソラニン注意すべき?A.毒性は意外に強い。栽培、調理は慎重にジャガイモに含まれる天然毒素のソラニンやチャコニンは、毒性がかなり強い物質で、小学校や幼稚園で毎年、ジャガイモによる食中毒が起きています。子どもたちが授業などでジャガイモを育てて食べるのですが、栽培や保管方法に問題があり、ソラニンやチャコニンの多いジャガイモになってしまうのです。緑色になった皮、未熟なイモもソラニンとチャコニンは、どちらもソラニジンという物質に糖類が結合したもので、ジャガイモ特有の天然毒素です。ジャガイモの芽100gあたり200-730mg、緑色になった皮の部分なら100gあたり100mg程度含まれます。摂りすぎると腹痛や嘔吐、頭痛などが起きます。大人では50mg程度の摂取で症状が出るケースがあり、150mg以上食べると亡くなる可能性も。つまり、芽や緑色になった皮を間違って数十g食べる程度でも症状が出るほど毒性が高いのです。子どもはもっと敏感で、ごく少量で発症するとみられています。食べる部分(髄質部)にもわずかですがソラニンやチャコニンが含まれ、とくに表皮近くにあります。完熟のジャガイモであればごく微量なので食べても大丈夫。しかし、未熟であれば濃度が高く、食中毒を引き起こす可能性がある、とされています。ジャガイモ農家は十分に気をつけて完熟で収穫します。明るいところに置いておくと芽が出て皮も緑色になるので、暗所で保管しています。ところが、ジャガイモがあまりにも身近な食品であるためか、学校や幼稚園で安易に栽培され子どもたちが食べる場合があるのです。厚生労働省の調査では、2006年から10年間でジャガイモ食中毒が計21件発生し、患者数は411人。その9割が学校で発生しています。08コーポロ2018年10月号