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教えて!森田さん今月のテーマ2020年4月より、容器包装に入れられた加工食品の栄養成分表示が完全義務化となりました。小さな文字ですが、健康づくりに役立つ重要な情報です。食の健康づくりに役立つ栄養成分表示義務表示は5項目、食塩相当量に注目栄養成分表示は、熱量・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量の5項目が義務表示となっています。法改正により、かつてのナトリウム表記から食塩相当量に変更されました。※厚生労働省が定めた「日本人の食事摂取基準2020年版」では、食塩の目標量が成人男性で7.5g未満、女性6.5g未満ですが、平均的な日本人は1日10g以上の食塩摂取量と言われており、食塩のとり過ぎが問題となっています。新表示ではナトリウムから食塩の計算(※)が不要となり、減塩に取り組みやすくなりました。表示をよく見ると、例えば食パン1枚(6枚切り)は0 . 7 g、和風だしの素は1gあたり0.4gなど、塩味をあまり感じないのに食塩を多く含む食品があることに気づきます。また、減塩タイプの食品も増えていますが、減塩の割合がかなり異なるので裏面の食塩相当量を確認するようにしましょう。炭水化物の内訳表示糖質と食物繊維栄養成分では糖質が気になるという方もいらっしゃるでしょう。糖質は義務表示ではありませんが、食物繊維と合わせて炭水化物となるので、その関係が分かるように炭水化物の下に糖質と食物繊維を記した食品が増えています(図)。糖質にはたくさんの種類があります。最もシンプルな「単糖類(ぶどう糖など)」、単糖類が2個つながった「二糖類(しょ糖など)」、数個から10個つながった「オリゴ糖」、さらにつながった「多糖執筆者PROFILE消費生活コンサルタントもりた森まき田満樹消費者団体(一社)Food CommunicationCompass代表。消費生活コンサルタント、東京海洋大学非常勤講師。食品安全、食品表示、消費者問題などで、講演や執筆活動を行っている。著書は『新しい食品表示がわかる本(女子栄養大学出版部)』『食品表示法ガイドブック(ぎょうせい)』など。類(でんぷんなど)」があります。このうち単糖類と二糖類をあわせて「糖類」とよび、多糖類に比べて血糖値を上げやすいので、糖尿病の方は注意が必要です。食品によっては「糖類」が表示されるものもあり、糖質に含まれることが分かるように糖類の下に書かれます。このように新基準で炭水化物の表示方法も変わり、それぞれの関係が分かるようになっています。栄養成分表示の例(炭水化物の内訳表示がある場合)栄養成分表示(100gあたり)エネルギーたんぱく質炭水化物ー糖質ー糖類ー食物繊維食塩相当量低栄養を防ぐためにたんぱく質も参考に高齢者の低栄養を防ぐためにも表示は役立ちます。加齢とともに低栄養になると筋肉量が減少して基礎代謝が低下しますが、筋肉量を維持するためには、穀類とたんぱく質をしっかりとることが大事です。78kcal0.8g20.8g16.8g14.3g4.0g0.08g炭水化物=糖質(糖類を含む)+食物繊維食物繊維炭水化物糖質多糖類(でんぷんなど)その他(オリゴ糖など)たんぱく質が多いとされる食品の表示を見ると、例えば牛乳200mlで6.8g、ミニ豆腐50gでは7.4gとなっています。食事摂取基準では、65? 74歳の1日目標量は男性90?120g、女性69? 9 3 gであり、さまざまな食品からとらなければ目標量に達しません。肉類など表示されていない食品は、食品成分表が参考になります。コープ商品は、法改正以前から自主的に栄養成分表示に取り組んでおり、組合員の皆さまにとっておなじみだと思います。これからも表示を見ながら上手に食品を選び、健康づくりに役立ててください。※ナトリウム(mg)×2.54÷1000=食塩相当量(g)糖類二糖類(しょ糖など)単糖類(ぶどう糖など)コーポロ2021年11月号