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平和フィールドワーク:フランク・エバンス氏の足取りをたどる

2010年11月29日

宮津与謝行政区委員会

開催日 10月28日(木曜)午前9時~午後2時
開催場所 日本冶金と大江山運動公園周辺

昨年行った平和のおしゃべり会「須津に捕虜収容所があったことを知っていますか?」に引き続き、今回はエバンス氏にまつわる場所を実際に自分の目で見て、足で歩いて学ぼうとフィールドワークを実施しました。あいにくの雨模様の中でしたが、有意義な学習会が出来ました。
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はじめに、当時から現在に至るまでニッケルの製錬をしている日本冶金工業株式会社大江山製造所の見学をしました。会社の成り立ちや概要、リサイクルに取り組み、環境にも配慮されていることなどをお聞きした後、工場を見せてもらいました。大きくて、暗く古い建物は当時を思い起こさせ、エバンスさん達が働いておられた頃の名残があるような気がしました。また、川向かいにある捕虜収容所跡地は当時から現在までずっと空き地のままだそうです。言葉にはできないけれど、参加者それぞれが感じるものがあったと思います。
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その後、加悦の大江山運動公園へ移動し、その周辺のフィールドワークをしました。グランドの脇に建てられたイギリス兵捕虜の慰霊碑は、エバンスさんの思いを受けて旧加悦町と日本冶金がお金を出し合い、作られました。昭和59年11月の除幕式にはエバンスさんが来町されています。このことがきっかけとなり、高校生の交換留学がされるようになったことは昨年報告しました。
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山肌がえぐり取られたニッケル鉱採石跡地も見学しました。今も年に1回ですが、採掘をするそうです。それは、過去の事実を継承していくために行われています。その下にある3本煙突は鉱石乾燥場跡です。65年前、たくさんの人(中国人、朝鮮人、西欧人)がここで、悲しくつらい思いをしながら過酷な労働をさせられていた事を知り、二度と、人がこんな悲しい思いをすることがないよう、多くの人にこの煙突の意味を知ってほしいと思いました。
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道の駅の駐車場には、日本中国悠久平和友好の碑があります。よく訪れている場所にありながら、その存在を知らずに通り過ぎていたことにちょっと申し訳ない気持ちがしました。今度は、中国人の強制労働について学習したいという声もあがりました。まだまだ、知らないことがたくさんあります。地元で起こった出来事について知ることで、平和について考えるきっかけができればと思います。
宮津与謝行政区委員会では今後も平和の取り組みを地道に継続していきます。
 

昼食交流会での感想です。
・日本冶金のそばに住み、昼も夜も地響きのような音を聞いていた。今日見学して何をしているのかよく分かった。
・鉱山跡は初めて訪れて労働の内容と会社のことがつながってきた。
・知らなかったのではなく、知らされていなかったのではないか。このことをきっかけに過去の事実に目を向けられるようになった。
・冶金と戦争のつながりなど聞くことがすべて初めて。伝えていけるようにしたい。
・丁寧に思いを解きほぐしていくことが大事。
・エバンスさんの憎悪から和解へ心が解き放たれていく崇高な精神、寛容な心に感銘を受けた。