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産直産地の点検 せいきょう牛乳・せいきょう低脂肪牛乳・生乳100%プレーンヨーグルト・鳥取大山ヨーグルト  大山乳業農業協同組合

  • 2023年05月15日
  • 商品

点検日 2023年3月6日、7日

 産直せいきょう牛乳(以下、せいきょう牛乳)を製造いただいている大山乳業農業協同組合(以下、大山乳業)の工場は、鳥取県東伯郡琴浦町にあります。鳥取県の西部に大山(だいせん・標高1729m)があり、そこから北へ下りたところに位置します。
 大山乳業は、生乳の生産から、牛乳、乳製品の製造、販売まで一貫して行っている酪農専門農協です。
 せいきょう牛乳は、産直商品第一号として1970年に開発され、50年以上にわたり、組合員にご利用いただいています。

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せいきょう牛乳は、1000ml、500ml、200mlがあります。
宅配では、200ml×3を品揃えしています。

 せいきょう牛乳のこだわりやこれまでの歩みについては、京都生協ホームページ(下のリンク先)でも紹介しておりますのでご覧ください。

京都生協ホームページ「せいきょう牛乳」へ


 3月6日、山下さんの牧場を点検しました。

 農場入口には「関係者以外立入禁止」の看板があり、家畜伝染病対策として、地面に石灰がまかれていました。また、地面に引かれた黄色い線より牧場側を衛生管理区域として人の立ち入りも制限されていました。関係者が入る場合は履物を消毒し、車両はタイヤとその周囲を中心に消毒して入場することになっています。入場記録も取っておられることを確認しました。

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 牛舎内やその周辺は整理整頓され、飼料や機具等の保管状態に問題はなく、清掃も行きとどいていることを確認しました。

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 夏の暑さ対策として、牛舎の屋根を二重にしたり、大型扇風機やミストシャワーを設置するなど、牛のストレス※を減らす工夫をされていると伺いました。 

 ※・・・牛にストレスがあると乳質が低下するそうです。


 床に敷かれたもみ殻は適度に乾燥し、きれいな状態でした。牛ふんで体が汚れている牛は見あたらず、牛の飼育環境が良好な状態に保たれていることを確認しました。牛ふんはバーンクリーナー(ふん尿搬出機)を使い、1日に2回、牛舎の外へ出していると伺いました。

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 飼料は、自家栽培している「イタリアンライグラス」と「とうもろこし(実だけでなく、葉、茎も利用)」、大山乳業を通じて購入した「とうもろこしや大麦を中心とした飼料」を使用されています。自家栽培されているイタリアンライグラス、とうもろこしについては、農薬や肥料が適切に使用されていることを記録で確認しました。

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 乳を搾ること(以下、搾乳。)も大事な作業です。山下さんの牧場では、清潔なタオルを1頭当たり2枚使用して乳房を拭き上げ、乳頭を消毒します。手で搾ってみて、生乳の状態に問題がないことを確認されています。その後ミルカー(搾乳機)を乳頭へ装着します。正しい手順で搾乳できるように、大山乳業が作成した搾乳マニュアルが掲示されていました。

 ミルカーの洗浄状態についても確認しました。汚れ(洗い残し)は見られませんでした。

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 搾乳後の生乳は、集乳車が来るまで、バルククーラー(一時保管用のタンク)で冷蔵保管されます。停電しても自家発電機があるのでバルククーラーが止まることはありません。また自記温度計(自動で温度を記録する装置)が付いており、設定温度を超えるなどの異常がある場合はランプで知らせる機能があります。(停電時、自記温度計は予備のバッテリーで作動。)
 山下さんの牧場全体の搾乳量に対してバルククーラーの容量に余裕があり、出荷まで確実に冷却、保管できることを確認しました。

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 生乳は大山乳業の工場へ集乳車(タンクローリー)で運びます。集乳車の運転手は、バルククーラーの自記温度計で保管されている生乳の温度を確認、簡易乳質検査と官能検査を行い、問題がないことを確認します。次にバルククーラーから集乳車までホースでつなぎ、生乳を移されています。

 ここまで山下さんの牧場の点検でした。

【山下さんからのメッセージ】
 京都生協組合員のみなさんこんにちは。鳥取県の大山の麓で酪農をしている山下です。私は牛の健康を第一に考え、良い土、良い草良い牛作りをモットーに、乳質の良い生乳の生産に励んでいます。
 これからも良質な生乳から作ったせいきょう牛乳をいっぱい飲んでくださいね!

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 上の写真、左端に写っている牛さんは「ろーるちゃん」です。牧場見学に来られる人の目印になるように、また、牛舎の前を通る人に楽しんでもらえるようにと、山下さんご一家で作成されました。

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 山下さんの牧場を点検した後、大山乳業の酪農指導部で、書類の確認や、生産者への指導内容についてヒアリングを行いました。
 酪農指導部では牛の健康管理や乳質改善指導(よりおいしい生乳を産出するための技術指導)など、生産者をサポートされています。(先ほど紹介した搾乳マニュアルもそのひとつです。)

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 3月7日は、大山乳業の工場を点検しました。

 生産者から集められた生乳は、ここで製品化されます。

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写真の中央に生乳の受け入れ口と集乳車が写っています。

 鳥取県内の生産者の生乳のみを集乳しているため、搾乳した牛舎から工場までの輸送距離が短く、品質の低下をおさえられると伺いました。

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 集乳車が到着したら、乳質に問題ないか検査してから受け入れされていることを確認しました。

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 受け入れた生乳は、タンクで一時保管されます。

 工場内部へは、工場のルールに従って入場しました。

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 ここから、せいきょう牛乳の製造工程です。

 クラリファイヤー(遠心力を利用する)で微細なごみを取り除いた後、ホモジナイザーで、乳脂肪の粒を砕き、生乳中の乳脂肪を均一※にします。

 ※乳脂肪の粒が大きいままだと生乳の上部に集まるため、生乳全体の乳脂肪分が偏ります。

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 ここは生乳を殺菌している所です。この機械(殺菌機)は、設定した殺菌温度を下回った場合、殺菌前の位置に生乳を戻して殺菌し直す仕組みになっています。生乳が設定した温度、時間で殺菌されていることを計器や記録で確認しました。また、作業終了時に、「殺菌温度が下回った時に生乳を殺菌し直す仕組み」が正しく作動するか、必ず点検していると伺いました。

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 殺菌された牛乳は冷却後、一旦、貯乳タンクに入ります。

 ここは充填室です。機械で紙パックを組み立てながら牛乳を充填して封をします。製造された製品から、サンプルを採取して成分検査、微生物検査を行い、問題がないことを確認されています。

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 金属探知機で金属異物の混入がないかを確認し、自動計量器で重量不足がないかを確認します。

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 次に賞味期限を印字します。賞味期限が正しく印字されていることを確認するため、紙パックの日付印字と、あらかじめ指示されている日付印字を一文字ずつ照合されています。ミスが起きないように2人1組で2回行われています。
 さらに、カメラで賞味期限の印字不良がないかを確認し、出荷用のコンテナに収めます。

 コンテナに収められたせいきょう牛乳は、出荷まで冷蔵庫で保管されます。


 京都生協では「せいきょう低脂肪牛乳1000ml」も品揃えしています。

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 「せいきょう牛乳」と合わせ、京都生協コープ商品「生乳100%プレーンヨーグルト」と「鳥取大山ヨーグルト」の点検も行いました。

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 どちらのヨーグルトも、生乳の工場受け入れと目には見えないような微細なごみを取り除くところまでは、せいきょう牛乳と同じ工程です。
 「生乳100%プレーンヨーグルト」は生乳のみを、「鳥取大山ヨーグルト」は生乳と砂糖を計量してタンクに入れます。この時、ヨーグルトミックス(原材料を混ぜ合わせたもの)のサンプルを取って成分検査が行われ、問題がないことを確認します。
 次に加熱して一定の温度を保ちます。加熱が済んだら圧力をかけて乳脂肪の粒を砕き、材料中の乳脂肪を均一にします。その後加熱殺菌し、一定の温度まで下げて保持します。

 乳酸菌を加えて撹拌した後、容器に充填してふたを閉じ、賞味期限を印字します。充填中にサンプルを取り、成分検査が行われます。

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 賞味期限を印字した後、「生乳100%プレーンヨーグルト」はX線探知機、「鳥取大山ヨーグルト」は金属探知機を通して、金属などの異物が混入していないか確認します。

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 重量不足がないか確認した後、コンテナに収め、発酵室へ送り込みます。

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 発酵室の中は、乳酸菌の活動(発酵)に適した一定の温度に保たれています。一定の時間が経過した時点で、きちんと発酵しているかを確認します。問題がなければ完成です。そのまま放っておくとさらに発酵が進むため、急速に冷却して発酵をおさえます。
 発酵が終わったらサンプルを取り、官能検査(色や味など)や乳酸菌数の検査を行い、問題ないことを確認します。

 製造現場点検の後、牛乳やヨーグルトの製造の記録、作業の手順書などの書類を確認し、製造現場・品質管理などの方より、聞き取りによる点検も行いました。
 仕様書※通りに商品が製造されていることを、製造現場および記録などで確認しました。
 また製品化された牛乳およびヨーグルトの賞味期限から、製造の記録、集乳の記録をたどり、どの生産者からいつ集めた生乳を使ったか、記録の上でもさかのぼれることを確認しました。こうした仕組みが構築されていることで、万が一、生乳に問題があった場合でも、どこに出荷されたのかを調査することができます。

 ※仕様書 ・・・ 原材料や製造方法、賞味期限など、商品の設計図にあたるもの。


【点検者の所見】
 京都生協コープ商品「せいきょう牛乳」「せいきょう低脂肪牛乳1.5」「生乳100%プレーンヨーグルト」「鳥取大山ヨーグルト」を製造する鳥取県の大山乳業を点検しました。酪農家の点検では、安全・安心・美味しい牛乳のために、乳牛にとって快適な環境づくりと衛生的な搾乳ができるよう、大山乳業が適切に巡回指導をしていることを記録や現場で確認をしました。
 また、大山乳業の工場の点検では、工場へ集められた乳質の高い生乳が、高いレベルの衛生管理や異物混入対策などを行いながら、美味しい牛乳やヨーグルトが製造されていることを記録や現場で確認をしました。


【大山乳業からのメッセージ】
 京都生協組合員のみなさま、こんにちは。せいきょう牛乳を製造している大山乳業農業協同組合です。産直商品第一号として長きにわたりご利用いただいているせいきょう牛乳は、組合員のみなさまと生産者の絆が育んできた商品です。
 これからも安全・安心でおいしいせいきょう牛乳をお届けします。今後も変わらずご愛飲いただけますと幸いです。

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