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【食の安全・安心】食品表示のデジタル化

  • 2023年08月29日
  • とりくみ・活動

【今月のテーマ】食品表示のデジタル化

私たちが食品を選ぶ時、大切な情報源の1 つが食品表示です。
ところが、パッケージには小さな文字でぎっしり書いてあり、読む気がしないとよく言われます。
食品表示の「分かりにくさ」を改善するために、消費者庁はさまざまな調査を行っており、食品のパッケージに付けられたバーコードや二次元コードをスマートフォンで読み取る試みも行われています。
こうした食品表示のデジタル化は、今後進むのでしょうか。

スマホをかざすとさまざまな情報が現れる
消費者庁は「食品表示のデジタルツール活用に係る検討調査事業」として、2021 年11 ~ 12 月に東京都江東区と千葉市のスーパー2 店舗で実証調査を行いました。
来店客らが、準備されたスマートフォンで約9 万点の加工食品に付けられたバーコードから情報を読み取り、アンケートに答えるものです。期間中に約400 人が参加し、私も参加しました。

調査では、専用のアプリがインストールされたスマートフォンを最初に手渡されます。そこに私の情報(性別、年齢、食物アレルギーを持っているか、運動量の身体活動レベル)を入力します。

そのスマホを持って、店頭の加工食品に付けられたバーコードにかざすと、スマホ画面に原材料名や添加物、栄養成分が表示されます。
文字の大きさを調整でき、卵などアレルギー物質を事前に登録しておくと、赤字で大きく注意表示もしてくれます。
また、栄養成分表示では、1日あたりの摂取基準量に占める割合も示されます。
例えば、ある納豆1 パックを食べると、私の年齢と身体活動レベル(運動量がふつう)では、1日あたりのエネルギー4%、タンパク質13%が取れるといった、個人に合わせた情報を知ることもできました。
2023_09_copolo_anzen_anshin.jpgデータの管理方法などさまざまな課題も
調査報告書によると、参加者から「アプリで食品表示が見やすくなった。より内容を理解できた」「パッケージよりも多くの情報を知ることができた」とおおむね好評でした。とはいえ、参加者はスマホの扱いに慣れている方なので、実際には戸惑う方が多いと思われます。

一方、事業者からは、表示情報のデータ管理にはコストがかかり、原料の変更などの情報がリアルタイムで反映されるとは限らないケースもあるなど問題もあります。
実証調査に協力したのは大手流通事業者ですが、中小の食品事業者にとってはデータ入力が負担となるでしょう。
報告書では多くの課題が挙げられており、実現にはまだ時間がかかりそうです。

今後もパッケージの表示がなくなるわけではありませんが、パッケージには安全に関する重要な表示のみを残し、一部はデジタル表示に分けて整理する案も出ています。
デジタルを融合させた新しい食品表示の模索が始まっています。




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社会的テーマから身近なテーマまで「食」の安全に関する情報を専門家が解説
食の安全・安心」は機関紙コーポロに毎月掲載しています。




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