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【食の安全・安心】日本人は 食塩をとりすぎている?
- 2025年05月01日
- お知らせ
【今月のテーマ】日本人は食塩をとりすぎている?
日本人の食塩摂取量は、諸外国よりも多いとよく言われます。どのような食品から多くとっているのか、なぜ食塩のとりすぎはよくないのか、改めて減塩の大切さについて考えてみましょう。
日本人の食塩摂取量
日本人の国民健康・栄養調査( 令和5年)の食塩摂取量(20歳以上)は、1日あたり男性10.7g、女性9.1gとなっています。この数値は、ここ10年間でほぼ変わりません。
日本人の食塩摂取基準(2025年版)の目標量は、男性7.5g未満、女性6.5g未満ですので、目標にはなかなか近づけません。
一方、諸外国の食塩摂取量平均値を見ると、オーストラリアは6.2g(19歳以上)、韓国は7.7g(1歳以上)、アメリカ8.8g(20歳以上)、ドイツ7.6g(14 歳以上)、フィンランド7.6g(18 歳以上)など日本よりもかなり低いことが分かります。世界保健機構(WHO)では、成人の食塩摂取量の目標値を1日5g未満としています。これは日本よりもはるかに厳しく、諸外国でもこの目標値を満たすのは難しいのが現状です。
どこから食塩をとっている?
日本人はどこから食塩をとっているのでしょうか。厚生労働省の国民健康・栄養調査( 令和5年)で食品群別の食塩摂取量を調査したところ、約7割が調味料という結果でした。調味料の中でも、しょうゆ、塩、みそからの摂取が多く、調味料以外の食品では、麺類、魚介加工品、漬物、ハム・ソーセージ、パンなどから食塩をとっています。
最近は、調味料でも減塩タイプのものが多く販売されています。だしの素やコンソメなども減塩タイプがあり、こうした商品は単に塩を減らすのではなく、うまみや香りなども工夫して開発されています。食べてみると意外とおいしいと感じます。
加工食品は栄養成分表示を確認するようにしましょう。即席麺は、麺とスープで食塩相当量が分けて書いてありますので、摂取量の参考(目安)にしてください。スープを残すことで食塩の摂取を減らすこともできます。
若いころから減塩のススメ
塩分のとりすぎは、将来の高血圧だけでなく、高血圧に伴う脳卒中や心臓病、腎臓疾患の要因にもなり、胃がんのリスクも高まることが分かっています。若いころは低血圧でも、年齢と共に血圧は上昇していきます。
上昇の割合は、食塩摂取量によって変わってきますので、1日あたりの食塩摂取量が多いと1年間に上昇する血圧の値が大きくなります。若いころから減塩に気を付けていると、高血圧になる時期を遅らせることができます。特にお子さんは、小さなころから薄味に慣れるようにしていきましょう。
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