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なんとなく気になる平和の話、聞いてみる?~憲法学習会を開催しました
- 2025年06月13日
- お知らせ
5月27日(火)京都テルサにて、憲法学習会&トークセッション「憲法が描く平和の未来ー私たちができること」を開催しました。
会場50人、オンライン44人の参加がありました。
講演は、元朝日新聞記者で、現在は国際ジャーナリストの伊藤千尋さん。NGOコスタリカ平和の会 共同代表でもあります。
トークセッションは、平和活動家で元ユース非核特使、中西麻奈未さん。2015年外務省からユース非核特使の委嘱を受け、NGO団体 ピースボート主催「おりづるプロジェクト」にて、広島・長崎の被爆者とともに世界25カ国にて証言活動に取り組んだ経歴の持ち主です。
伊藤千尋さんの講演では、中南米 の国々では、人々が「生活の中で憲法を使っている」というお話を聞きました。
「憲法を使う」? 私たちにはなんだか耳慣れない言葉ですね。
ベネズエラでは、街角で売られているお米の袋にも、憲法「平和であってこそ、私たちの安全は保障される」という内容が書かれており、人々がそれを普通に買っていく光景が見られるのだそう。
「憲法を学ばないと、私たちの生活を守ることができないじゃないか」という女性の言葉が印象的でした。
コスタリカでは、街を歩く女子高校生が、自国の平和憲法について誇らしげに語る姿が見られるとか。
「平和?私には関係な~い」なんて反応は返ってこなさそうです。
かつての大統領が、平和憲法を軸に積極的な平和外交をしたことが、そのような国民意識をつくっているのだとか。
平和憲法は自国だけのものではなく、世界の平和にも生かしていくべきものという考え方です。
国連の核兵器禁止条約もコスタリカが提案国となり、締結されました。
コスタリカは、憲法第12条「軍隊は、これを禁止する」に則り、軍艦・戦闘機・戦車を保有していません。
2015年に隣国ニカラグアに侵攻されたときは、国境警備隊が対処し、国際司法裁判所に訴えて勝訴しました。
かつてあった軍隊を廃止したときのスローガンは、「軍事費は教育費にあてよう」。
幼稚園から高校まで義務教育、そして大学生の70%は奨学金を得て学んでいます。
コスタリカでは、幼稚園から平和教育を受け、他人の権利を尊重すること、自分が孤立することは平和ではないこと、自分の存在が周囲を良くすることが平和の基礎であることを学びます。
子どもたちの世界の仲間外れも、平和に反する良くないことという学びを得ているのです。
「一人ひとりが平和をつくる主体」というポジティブな学びです。
今、世界のあちこちで紛争や侵略が起き、憎しみの連鎖が続いています。
伊藤千尋さんは、「日本国憲法第9条こそ、憎しみの連鎖を断つカギ。世界に9条の精神を広めていくことが、平和国家として日本がやるべきこと」と力強く締めくくられました。
【こぼれ話】
「憲法第9条は米国に押し付けられたもの」という通説がありますが、この人類初の平和憲法を考え出したのは、実は幣原喜重郎(しではらきじゅうろう)という、日本の戦後の首相であるということを伊藤さんはお話しされました。
「戦争をやめるには武器を持たないことが一番の保証」という言葉に考えさせられますね。
伊藤千尋さんの講演のあとは、中西麻奈未さんをコーディネーターに、ピースアクションinオキナワ・ヒロシマに参加された組合員の方々とのトークセッションを行いました。
「幸せを感じるのはどんな瞬間ですか?」「悲しくなるのはどんな瞬間?」など、身近な質問から平和について考える時間。
講演会に参加された組合員にマイクを向ける中西さん。
【参加者の感想から】
「コスタリカの人たちが憲法をとても大切にしていることが印象的でした。子どものころから憲法を学び、それが自分を守る支えになっているというお話に、憲法はもっと身近で力強い存在なのだと気づかされました」
「『憲法9条は、過去に戦争を経験した方々が二度と同じ思いをさせないためにつくってくれたもの』という言葉が印象的でした」
「『憲法を使っていますか』と聞かれてギクッとしました。『宝の持ち腐れ』にしてはいけない」
【共催】NPO法人 コンシューマーズ京都、京都府生活協同組合連合会、京都生活協同組合
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