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【食の安全・安心】中国産食品の安全性は?

  • 2025年06月26日
  • お知らせ

【今月のテーマ】中国産食品の安全性は?

「中国産食品は国産品よりも価格はお手頃だけれど、安全性が心配」という声をよく聞きます。
実際はどうでしょうか?

輸入食品も国産食品も同じ基準が適用
 まず知っていただきたいのは、日本に輸入される食品は中国に限らず、国産の食品と同じくすべて日本の基準を守らなければならないということです。日本の食品安全に関する基準は、添加物、農薬、動物用医薬品、容器包装や、食中毒などの衛生基準など数多くあります。これらの基準に合っていなければ、国内で流通することは認められません。
 このため、図に示したとおり中国産食品を日本に輸出するときは、日本の基準に合うようにあらかじめ自国で検査を行ったり、生産管理をしています(輸出国対策)。
 その後、日本の空港や港を経由して食品が輸入される際、厚生労働省の検疫所が「輸入検査」といって書類をチェックしたり、計画的な検査を行います。ここで不合格となった場合は、廃棄処分にするか積戻しされて、日本国内には入らない仕組みとなっています(輸入時対策)。
 さらに、国内で流通している輸入食品、国産食品は、都道府県などの抜き打ち検査も行われています。違反が発見されると処分・通報されることになります(国内対策)。
 以上のように国外、輸入時、国内と3段階のチェックを行っていますし、さらに生協では、検査センターなどで安全性を確認しているので4段階のチェックとなります。

中国産の違反率は他国よりも低い
 日本の食料自給率はカロリーベースで40%を切っている状況が長年続き、今や輸入食品がなければ日本の食生活は成り立たなくなっています。特に中国産は輸入届出件数の3~4割を占め、野菜や果物など農産品、冷凍枝豆など加工食品のほか、水産物、水産加工品も数多く輸入されています。20年以上前は基準値の違反があるたびに大きく報道されたりしましたが、現在は日本の基準に沿った畑や養殖場で日本向け専用に生産されており、工場には日本人の品質管理者も常駐するなどして、日本向けの輸出に力を入れています。このため、ここ十数年は、他国の違反率の約半数まで低くなっています。これを見ると、輸入食品の中で中国産食品が特に危ないとは言えません。
 また、地方自治体で保健所などが市場に販売している食品を検査していますが、国産品も輸入品も違反率は非常に低く、同程度です。今でも中国産食品に危ないイメージを持つ人もおられますが、現在は何重もの検査体制を経て安全性が確保されていることも知っていただきたいと思います。

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